この記事の要点

  • カフェインの作用と、不安のときの身体症状はほとんど同じ顔をしています。動悸・手の震え・冷や汗・落ち着かなさ
  • つまり「不安の症状」だと思っていたものの一部が、飲み物由来かもしれない
  • 体から半分抜けるのにおよそ4〜6時間かかるため、大事な日の朝だけ我慢しても前日ぶんが残っています
  • ⚠️急にゼロにすると離脱の頭痛やだるさが出ます。減らすなら数日かけて助走をつけてください

4〜6時間

半分抜けるまで

400mg

成人の1日の目安

玉露 160mg

実はコーヒーより多い(100ml)

なぜ、カフェインで不安が強くなるのか

カフェインは、眠気をもたらす物質(アデノシン)の働きをブロックして、覚醒の方向へ体を持っていきます。目が覚めるのはそのためですが、体としては「アクセルを踏んだ状態」に近づきます。

心拍が上がりやすくなる(動悸を感じやすい)
手の震え・落ち着かなさが出やすくなる
大腸の動きが活発になる(便意が来やすい)
睡眠が浅くなり、翌日の不安が強くなる

最後の一つは見落とされがちです。夕方のカフェインが、翌日の不安を作っていることがあります。その日の体感ではなく、翌日に効いてくるので気づきにくいのです。

不安の症状と、見分けがつかない

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

動悸。手の震え。冷や汗。落ち着かなさ。頭が働かない感じ。
——これは「不安なときの症状」でもあり、「カフェインが効いているときの症状」でもあります。

区別がつかないので、コーヒーで出ている症状を「自分は不安が強い」と解釈してしまうことが起こります。そしてその解釈が、本当の不安をさらに強くします。

特に、大事な予定の前に飲んでいる場合は要注意です。緊張しているところに、緊張と同じ方向の物質を足していることになります。仕事の前や試験の前に「しっかりしなきゃ」と濃いものを飲むのは、目的と逆に働くことがあります。

飲み物別のカフェイン量(100mlあたり)

文部科学省の食品成分表などをもとにした、浸出液100mlあたりの目安です。

  • 玉露 … 約160mg(※コーヒーより多い)
  • コーヒー … 約60mg
  • 紅茶 … 約30mg
  • 煎茶・ほうじ茶・ウーロン茶 … 約20mg
  • 麦茶 … 0mg(カフェインを含みません)

エナジードリンクは製品ごとの差が大きく、1本あたりの表示を見るのがいちばん確実です。「1本」の量が製品によって違うため、100ml換算だけで判断すると読み違えます。

1日の摂取量については、欧州の食品安全機関(EFSA)が健康な成人で1日400mgまで、1回あたり200mgまでを目安としています。妊娠中はより低い目安が示されています。日本には規制値がなく、消費者庁や農林水産省が諸外国の目安を紹介している状況です。

ただし——この数字は「健康に害があるか」の目安であって、「不安が出るか」の目安ではありません。400mg以下でも、敏感な人は1杯で動悸が出ます。効き方には大きな個人差があり、体質・喫煙・服用中の薬などで変わります。

何時間前に切ればいいか

飲んでから血中濃度が上がりきるのは30〜60分後。ただし腸への刺激はもっと早く、人によっては十数分で来ます。

体から半分抜けるまではおよそ4〜6時間(個人差が大きく、2〜10時間の幅があります)。ここから逆算すると、

  • 6時間前に飲む → まだ半分残っている
  • 10〜12時間前→ だいぶ抜けている
  • 前日の午後以降を飲まない→ ほぼ影響しない

急にやめないこと(離脱が出ます)

毎日飲んでいる人がその日だけ突然ゼロにすると、頭痛・だるさ・集中しにくさ・イライラが出ることがあります。大事な日にこれが来ては本末転倒です。

減らすなら、助走をつけてください。大事な日を D とすると:

  1. D-3日 / D-2日

    半分にする

    薄く淹れる、または カフェインレスと半々にする。量だけ落として習慣は変えないのがコツです。

  2. D-1日(前日)

    朝だけ半分

    朝に半分まで。12時以降はゼロにします。

  3. D 当日

    ゼロ

    ここまで来ていれば、離脱の頭痛はかなり出にくくなっています。

いちばん楽なのはカフェインレスを混ぜるやり方です。味も「飲む」という習慣もそのままで、量だけが落ちるので、離脱が出にくくなります。

胃と食道への影響

カフェインには、食道の下部にある締まりをゆるめる働きがあります。胸やけや、喉の焼ける感じ、詰まった感じが出ている場合は、量とタイミングを見直す価値があります。

  • 空腹時に飲まない(何か食べてから)
  • 寝る3時間前以降は飲まない(横になると逆流しやすくなります)
  • ゼロにしなくても、量を減らすだけで変わることがあります

胸やけや喉のつかえが続いている場合はストレスと逆流性食道炎、緊張でお腹が痛くなる・下しやすい場合はストレスで胃腸の不調が続く時にもあわせてどうぞ。

自分に効いているか調べる方法

一般論では決まりません。効き方の個人差が大きいので、自分で試すのがいちばん速いです。記録は最小限で足ります。

※ ゼロにする週の入りは、前の項目のとおり数日かけて減らしてからにしてください。いきなりゼロにすると、最初の数日の頭痛を「カフェインをやめた影響」と誤解してしまいます。

やらなくていいこと

やめる必要はありません。減らして、タイミングを変えるだけで変わることがあります。
  • 完全にやめる
  • 好きな飲み物を我慢し続ける
  • 毎日きっちり記録をつける
  • 数字を厳密に管理する(だいたいで十分です)

相談を考えたい目安

動悸そのものが気になる場合は動悸がする時に、眠りの問題なら眠れない状態が続く時に、体の切り替えの仕組みを知りたいなら自律神経の乱れを整えるが参考になります。症状が続く場合は受診ガイドを見て、まず内科で他の原因がないか確認すると安心です。