しおり

家族・友人向け

大切な人を支えたい方へ

支える側のあなたが先に潰れないために。かける言葉、距離の取り方、相談につなげる伝え方をまとめました。

身近な人が苦しそうにしているとき、何を言えばいいのか分からなくなります。 よかれと思った言葉が届かず、かえって距離ができてしまうこともあります。 ただ、支える側にできるのは「治すこと」ではありません。安心して話せる相手でいることと、 必要なときに専門家につながる道を残しておくこと。その2つで、十分に支えになります。

届きにくい声のかけ方

どれも善意から出る言葉です。悪いのではなく、弱っているときには届きにくい、という話として読んでください。

「頑張れ」と励ます

すでに限界まで頑張っている人にとっては、「まだ足りない」と受け取られることがあります。ねぎらいのほうが届きやすくなります。

原因を探して指摘する

「考えすぎだよ」「気の持ちようだよ」は、つらさを否定された感覚を残します。原因の特定は、本人と専門家の領域です。

すぐに解決策を出す

話を聞いてほしい段階でアドバイスが返ると、話すこと自体をやめてしまうことがあります。まず最後まで聞くほうが先です。

他の人と比べる

「もっと大変な人もいる」は、相談する資格がない、という結論に本人を追い込みます。比較はしないでください。

届きやすい関わり方

  1. 1

    そのまま受け取る

    「つらいんだね」「そう感じているんだね」。評価も解釈も加えずに返すだけで、安心して話せる相手になります。

  2. 2

    事実を心配していると伝える

    「最近眠れていないみたいで心配」のように、観察した事実を根拠にすると、決めつけになりにくくなります。

  3. 3

    選べる形で提案する

    「病院に行きなさい」ではなく「一緒に調べようか」「付き添おうか」。決めるのは本人、という形を残します。

  4. 4

    日常を変えずに続ける

    特別扱いを増やすより、いつも通りの連絡や食事を続けるほうが支えになることがあります。

  5. 5

    返事を急がせない

    「返信はいつでもいい」と添えておくと、連絡そのものが負担になりにくくなります。

  6. 6

    相談先の情報だけ渡す

    使うかどうかを本人が決められる形で、窓口や受診先の情報を置いておくのも支え方のひとつです。

支える側が潰れないための線引き

  • 24時間対応しようとしない。連絡を返せない時間があってよいと、先に伝えておきます。
  • 自分の生活を止めない。仕事・睡眠・人との予定を削り続けると、支えは長く続きません。
  • 一人で抱えない。ほかの家族や専門機関と分担する形を、早い段階で作ります。
  • 本人の回復のペースを、自分の努力の成果として測らない。良くならない時期もあります。
  • 支える側にも相談先がある、と知っておく。窓口は家族からの相談も受け付けています。

受診・相談を考えたい目安

  • 眠れない・食べられない状態が2週間以上続いている
  • 仕事や学校に行けない日が増えている
  • 以前できていたことが、目に見えてできなくなっている
  • お酒や薬の量が増えている
  • 自分を傷つけたい気持ちを口にした

伝えるときは「病院に行って」より、受診ガイドを一緒に見る、相談窓口の連絡先だけ渡す、といった形のほうが受け取られやすくなります。

よくある質問

本人が病院に行きたがりません。どうすれば?
説得するより、ハードルを下げるほうが動くことがあります。予約だけ一緒に取る、初回だけ付き添う、まずはかかりつけ医に相談する。決めるのは本人、という形を保ったまま選択肢を増やしてください。
何を言っても否定されてしまいます
否定は、あなたへの評価ではなく、余裕がない状態から出ていることがあります。言葉を足すより、返事を求めない連絡を続けるほうが届く場合があります。
支えている自分がつらくなってきました
支える側が消耗するのは自然なことで、弱さではありません。相談窓口は支える側も使えます。あなたが倒れると支えそのものが続かなくなるため、自分の回復を先に確保してください。
どこまで踏み込んでいいか分かりません
本人の安全に関わること(自分を傷つけたい気持ち、食事や睡眠が取れない状態)は、踏み込む理由になります。それ以外は、本人が決められる余地を残すほうが関係は続きます。
家族が「死にたい」と言いました
否定も説得もせず、まず話を最後まで聞いてください。ひとりにせず、危険が差し迫っている場合は迷わず119番へ。公的な相談窓口は、家族からの相談も受け付けています。

支える側のあなたにも

相談窓口は、支えている側からの相談も受け付けています。ひとりで抱え込まないでください。